靖国神社「公式」参拝への抗議


内閣総理大臣 橋本龍太郎殿

さる7月29日、貴殿が「内閣総理大臣」と記帳して神道方式で靖国神社に参拝されたことは、事実上の「公式」参拝であり、それゆえに韓国・朝鮮、中国、東南アジア諸国からも激しい反発を招きました。私たちは、以下の理由で、貴殿の靖国神社「公式」参拝に抗議し、以後このようなことが繰り返されないよう強く要望します。

1.首相・閣僚の靖国神社「公式」参拝は、国の宗教活動を禁止した日本国憲法第20条第3項に違反します。首相・閣僚には、第99条に定めるように、特に「憲法尊重の義務」があります。

2.首相の靖国神社「公式」参拝は、政教分離の原則に違反するだけでなく、過去の侵略戦争を正義の戦争として美化し、天皇のための戦没者を「英霊」視し、靖国神社の国営化に道を開くことになります。

3.そのようなことは、首相が主張するアジア重視の政策と根本的に相容れません。首相は8月14日、「女性のためのアジア平和国民基金」を元「従軍慰安婦」への償い金として支給する際に添える手紙に、「わが国としては、道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝える……」と書いておられます。また8月15日の政府主催の「全国戦没者追悼式」で、「アジアの諸国民に対しても多くの苦しみと悲しみを与えました。私は、この事実を謙虚に受けとめて、深い反省とともに、謹んで哀悼の意を表したいと思います」と述べておられます。首相の靖国神社「公式」参拝は、そのような首相の気持ちと決意に水を差す、本質的に矛盾した行為です。

1996年9月6日

日本福音同盟 舟喜 信


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