戦後50年にあたってのJEA声明


 私たち日本福音同盟(JEA)は、主である神の御前に、また日本と世界に対して、戦後50年にあたって声明いたします。

 敗戦直後の日本社会は、あらゆる面で大きな転換期を迎えました。その自由と混乱の中で、福音宣教の好機に恵まれた日本のキリスト教会は、新たな立ち直りを期待しつつ、今日まで、福音宣教に励んできました。特に聖書信仰に立つ福音的諸教会は、着実な成長をとげ、日本福音同盟を結成することとなり、一層の協力と一致を目指しながら、日本と世界に対する宣教の拡大に努めてきました。それにもかかわらず、戦後半世紀を経過しようとしている現在も、宣教の働きにふさわしい結実を見ているとは言えません。

 日本の教会の戦後50年の歩みは、戦時下のキリスト教会の歩みを抜きにしては考えられません。戦時下と言われる「昭和15年戦争」の間、とりわけ第二次世界大戦中の天皇制・国家神道体制下に諸教団・諸教会を包括する形で発足した「日本基督教団」は、天地の創造者・歴史の支配者である唯一神への信仰の告白を曖昧にしたことにより、国民儀礼・神社参拝に参与し、戦争の勝利のために祈願し、国家の植民地政策に積極的に協力しました。こうして私たち日本の教会は全体として、偶像崇拝の罪を犯すとともに、周辺諸国、特にアジア諸国への侵略に加担し、教会が世にあって使命を果たす力を著しく失いました。

 その結果、戦後の日本のキリスト教会は、多大な負の遺産を受け継ぐことになり、しかも、私たちはこの事実に目をむけることなく、教会全体としての悔い改めも懺悔も表明しないまま、今日に至っています。1960年代後半から浮上した「靖国神社国家護持法案」に対して、信教の自由を守る立場から進められた反対運動も、教会内の一部の動きにとどまらざるをえませんでした。それでも1989年に生じた「即位・大嘗祭」への反対署名運動では、教会にもかなり広範な賛同の動きが見られました。それを契機に、戦時下の教会の罪を反省する機運がようやく高まりつつある中で、戦後50年を迎えました。

 私たちは今、この歴史の大きな節目にあたり、日本の教会が置かれたこのような立場を厳粛に受けとめ、偶像崇拝の罪を自ら犯すとともに、近隣のアジア諸国の教会に対してもそれを強要し、また、アジア諸国への侵略に加担した日本の教会の罪を神の御前に悔い改め、近隣のアジア諸国の教会に対して心から謝罪し、赦しを求めます。

 私たちの願いは、明日の日本と世界に対する宣教の使命を果たすために、新たな思いをもって前進することです。日本の宣教土壌は、独自の宗教的・文化的伝統を持ち、今もなお容易でない様々の困難を抱えています。しかし今一度堅く「聖書信仰」の原理に立ち、福音にふさわしい内実を伴った教会へと変革され、教会のかしらである主イエス・キリストに再献身し、聖霊の力によって福音を日本と世界に満たしてまいります。

 21世紀を間近にしている今日、私たちは、日本の主にある諸教会との協力と一致を目指すとともに、世界の主にある諸教会とも祈りの連携を保ちつつ、キリストにある「信仰と希望と愛」をもって、宣教の働きに積極的に取り組む決意を、ここに改めて表明いたします。

 「アーメン。主イエスよ、来てください。」

1995年6月14日  日本福音同盟第10回総会

総会議長 蔦田公義

理事長  舟喜 信


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