内閣総理大臣 海部俊樹殿
政府は、昨1990年11月23日から24日にかけて、大嘗祭を公的性格を有する皇室行事として、これに莫大な国費 (宮廷費)を支出して強行しました。
日本福音同盟は、これに先立って同年6月に開かれた第5回総会において以下の理由に基ずき、これに強く反対する声明を出しました。
1. 大嘗祭は、皇室神道の儀礼のうちで最も重要な宗教行事とされている。政府が大嘗祭の宗教性を認めながら、これを国が関与する公的行事とし
て莫大な国費を支出して強行することは、憲法第20条及び第89条に定められた政教分離の原則を明らかに犯すことになること。
2. 大嘗祭に国費を支出することは、国が天皇に特別な宗教的意味を付与することになる。これによって天皇の地位は憲法第1条に明記された「主権の存する日本国民の総意に基づく」象徴としての天皇ではあり得なくなること。
3. かつての満州事変から太平洋戦争に至る《15年戦争》において、軍国主 義日本はアジア近隣諸国を侵略し、天皇の名において多くの被害と深い傷痕を与えた。大嘗祭を公的行事として強行することはアジア近隣諸国の日本に対する警戒と批判をますます増大させることになること。
以上の理由による私たちの反対にもかかわらず、政府が大嘗祭に莫大な国費を支出し、これを強行したことは暴挙であり、私たちはこれに対して強く抗議します。
このようなことが、今後断じて繰り返されることがないよう心から重ねて要望します。
1991年6月7日 日本福音同盟第6回総会
総会議長 中 島 秀 一
理事長 山 口 昇